ねこよりまるい | 性虐待サバイバー

性虐待サバイバーの体験記と日常。虐待から10年、元気に生きています。似た経験をされた方、他のことで辛い方、そうでない方とも繋がりたい。できる活動や勉強を少しずつ。

虐待、その後① ~うつになる~

【大学生】

 

親には、進路については、県内の公立大学を出て教員になるよう言われていました。

それ以外に私の生き方はないという感じで、小さい頃から言われていました。

家が代々、先生の家系なことが自慢だったようです。

 

やりたかった勉強や行きたかった大学もありましたが

借金もあるし、県外に出させてもらう余裕がないことは分かっていたので

中でも興味が持てた養護教諭の免許がとれる看護科に入りました。

 

正直当時は、せっかく進学校に入って頑張ってきたのに、という気持ちでした。

好きな大学を目指している子たちが羨ましかったです。

周りにも同じように地元に残るように言われて残った子が何人かいました。

 

大学生になってから、落ち込み方が病的になり精神科や心療内科に通うようになるのですが、

嫌な記憶を人は忘れるように出来ているのか

あるいは、ちゃんと生きていなかったからなのか

記憶が曖昧で時系列通りではないかもしれません。

 

いつもうつ状態という訳ではないのですが、時々死にたい波がやってきました。

そうなると、父親にされていたこと、あの息遣いや、体に残る感覚などを

思い出して、頭がおかしくなりそうでした。

叫んだり泣きわめいたり、反対に無感情で無気力になったりしました。

波が来たら縮こまって通り過ぎるのを待ちました。

 

バイトをしても経済的に困窮していて、いつもお金の心配をしていました。

 

そのうち朝起きれなくなりました。学校に行かなきゃと思っても体が動かなくなりました。

起きれる時間がだんだん遅くなり15時くらいにやっとモソモソと起きだすようになりました。

どうしても体が動かないので、学校に通えなくなりました。

 

落ち込み方が酷いときは一日中寝ていました。

お風呂はもちろん、食事とトイレに起きるのすら億劫で

食べるのがすごく面倒な作業に思えました。

 

ある時、美容室に行くと

その美容師さんは大病をして死にかけたことがあるらしく、

「その時の僕に似ている。死の淵に立った人間の顔をしている」と言われました。

すごいこと言うなと思ったけど、まぁそうだろうなと納得してしまいました。

 

本来楽しいことや好きなことが、楽しめない。

世の中ぜんぶを恨む気持ちがありました。

親に大事にされて苦労を知らずに育ったような人を見ると妬ましい気持ちになりました。

それぞれの苦労は表面では分からないはずなのですが、人の痛みを慮る余裕がありませんでした。

そのことで同級生やバイト先の人達に対して申し訳ない気持ちもありました。

私に元気があったら、もっと良い関係が築けていたかもしれない。

 

こんな自分が生きていかなければならないことが嫌で嫌で、本当に嫌でした。

 

 

私は、「このままじゃまずい、私は明らかに心が不健康だ」と自覚し

近所の精神科にかかることにしました。

 

 

 


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