ねこよりまるい | 性虐待サバイバー

性虐待サバイバーの体験記と日常。虐待から10年、元気に生きています。似た経験をされた方、他のことで辛い方、そうでない方とも繋がりたい。できる活動や勉強を少しずつ。

母が来た日

母たちの訪問日当日

到着したみんなの顔を見て
懐かしい嬉しい気持ちと
楽しい時間が過ごせますようにと
祈るような気持ちが出てきました


娘を順番に抱っこしてもらって
すごくすごく温かい気持ちになりました

みんな とっても笑顔で
優しい空気が流れていました


赤ちゃんの存在ってすごい


お祝いももらいました


それだけで終わるのはやっぱり勿体なくて

授乳の際、母を呼んで奥の部屋で2人で話をしました

感情のままに話したら
溢れ出た感情に流されて
きっと色々言ってしまって支離滅裂になり
何も伝えられない


そう思って
今していること、これからしたいこと
を伝えることをゴールに
あくまで前向きな会話になるようにと意識して話しました


取材を受けている
自分以外の性被害にあった人とも出会った
被害の深刻さを感じた
経験をいかして性教育をしたいと思っている


PTSDの説明
フラッシュバックの解説もしました

何年も まるでいま被害に
あっているかのような状態に突然陥って
とても苦しかった


母は PTSDの症状を聞いて驚いていました
そして「そうだったの…」と私の話に耳を傾けて
じっくり聞いてくれました

私は
すこし混乱しました


え、わたし、こんな母シラナイ

記憶の中の母は
私の話を聞いてくれず
「もっとこうすればいいのに」
「忘れなさい」
「鬱は甘えだ」
と、否定ばかりだった

…母、何かあったの?


混乱したけれど、聞いてもらえて嬉しかったです

だから、母に今だから感謝していることを伝えることもできました


小さい頃、絵本をたくさん読み聞かせたり
折り紙を一緒につくったりしてくれてありがとう
その時間が好きだったし、本が好きになりました

虫歯ができないように気をつけてくれてありがとう
おかげで今まで虫歯知らずです

大学まで出させてくれてありがとう
学べることは当たり前ではないこと、お金のかかることだと大人になって気が付きました


母も嬉しそうに聞いてくれました


母に会う前は、会うのはもうこれっきりだと思っていましたが

これを機に、たまには娘に会ってもらいたいかも…と思いました

でも
母と接する時間が多くなると
自分が傷つく可能性も増えることになるので

今回のことは嬉しかったけれど
まだ 母との付き合い方はおそるおそるです

二次被害のことを謝ってもらってはいないし、
私も傷つきたくなくてそのことは口にしていません

でも
娘のことを思い切り可愛がってもらえて
成長を喜んでもらえるのは嬉しいなと
娘を抱っこしている母を見て思いました


これから
母との付き合い方を(と言ってもたまーーに会うかどうかだけど)試行錯誤していくことになるかもしれません

距離感とか、スタンスとか



今回の母に会うイベントは
無事に終了しました
よかったー

母が来る

2ヶ月ほど前
母と祖母と兄が、娘に会いに来てくれました

母に会うのは不安でした

会ったら過去のことを思い出して辛くなってしまう気がして

でも、私の中で
母に娘を抱っこしてもらいたい
母に抱っこされている娘を見たい
という思いがムクムクと出てきました

赤ちゃんの時期は一瞬だし
抱っこしてもらわずに過ぎてしまうのも
なんだかな… と思いました

結局 来てもらうことになりました
当日まで心がそわそわして落ち着きませんでした

会ったら平常心でいられるのかな
過去のことがよみがえって
どうして〇〇してくれなかった!
私は悲しかった!辛かった!
というようなことを言いたくなるだろうな
大丈夫かな
なかなか会える機会もないし
会ったら何を話そう…
取材を受けたNNNドキュメントの録画を渡そうか…?父親と見てって言おうか?
せっかく来てもらって空気がぎこちなくなるようなことしない方が良いかな
おばあちゃんもいるし
楽しいまま終わらせた方がいいかな

考えすぎてどうなるか心配で
不安定になっていました

やっぱり
心のどこかで
過去、私に起きたことが
どういうことだったのか知って欲しい気持ちが
ずっとあるのです

(心を、殺されたんだよ
受け止めて貰えなくて悲しかったよ
何年も
気がおかしくなりそうなくらい
苦しかったよ
死にたくて死にたくて
本当に最近まで
生きるのがつらかったんだよ)


この機会に何を話そう
ずーっとそのことを考えていました

(続)

2020年

2020年 今さらですが
今年もよろしくお願い致します


昨年は性被害について
たくさん考えて
それで知り合えた方もいました

種々の問題の根幹には人権意識の低さがあり

現状を打開するために
教育、性犯罪刑法の改正の重要性を感じました


目標ができました
学校等で、性教育の授業をすること


一方で
治療の甲斐あって
子どもを授かることができました

我が子を抱いて
生きていてこんなに幸せな感情を抱くことがあるのか
と思いました

子どもの目線で世の中を見る機会を得ました

なんて母子の生きづらい社会だろう
と驚き
これまで妊婦さんやママさん達に配慮できていなかったことを反省しました

まだまだ性差別が根強い世の中であることも
実感しています


そして
色々考えていまは
また自分と向き合うタイミングに。

人権意識が、無理解が、差別が、
と言いながら

自分の中に時々
とても偏った物差しがあるような。
いや、あるんです
今とまどっています

つよい差別意識に触れながら、
そういう価値観の中で生きていたから
どうしてもその影響を受けているんじゃないかと。

そんな自分なんだと、認めないといけない気がしています

そのうえでどうしたらいいのか


誰のことも見下したくない、差別したくない、

上に立ちたくない、隣にいたい、対等でいたいです

大事にしたいです

人を、人の人生を尊重できる人間になりたいです


今は全然かけ離れたところにいます

むずかしいです とても

わたしの価値観
わたしの行動を変えていけば、変わるかな

わたしは
まだまだ全然だめだめで
まるで今人生がはじまったばかりな感じです



今年もよろしくお願いします

一緒に声をあげませんか OneVoiceキャンペーンの紹介

〖 性犯罪の刑法改正にむけて 〗


「親子間でも真摯な同意に基づく性行為がないとは言えない」
このショッキングな発言は、国の性犯罪刑法の議論の場で出てきたものです。


性犯罪の刑法改正を、市民の声で訴えていく必要があります。

そこで今回は
一般社団法人Springの
OneVoiceキャンペーンを紹介します。

国会に
「刑法改正の見直しは必要だ」という市民の声を届けよう!という運動です。

今年、性犯罪の無罪判決が相次ぎましたが2020年に現行の刑法の見直しがされるかどうかはまだ分かりません。(検討委員会で、見直しが必要と判断されなくてはなりません)


行刑法の課題は

・暴行脅迫があったと立証できなければ不同意でも罪に問えない

・パートナーからの被害(DV被害)が認定されない

・上司と部下、先生と生徒、などの関係性は考慮されず対等でない関係における被害が潜在化しやすい

・13歳以上の被害者は暴行脅迫要件が適用される

・時効(強制性交等罪10年、強制わいせつ罪7年)が過ぎたら罪に問えない

などです。

よかったら見直しの必要性を一緒に訴えませんか。

目標は一都道府県1000人、合計47000人の声を集めることです。


▼参加方法はこちら

http://spring-voice.org/%E6%B4%BB%E5%8B%95%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/one-voice%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%B3/

これだけ無罪判決が相次いだので当然見直しはされるだろう、と思っていましたが

冒頭でも取り上げたように

2015年7月 院内集会
法務省職員による「刑法検討会まとめの報告」には

「親子間でも真摯な同意に基づく性行為がないとは言えない」

「被害者が積極的に監護者(親)にせまった場合…」

などの発言が検討会や審議会で出たと記されています。

性暴力被害のことをまったく知らない人が、性犯罪の法律に関わっています。

私はこれを知って、黙って偉い人たちに任せてはいられない
現行の刑法は見直しが必要だと訴えていかないといけない、と思いました。


専門家の間では見直しを必要としない、との声も多くあがっています。(いずれも性暴力被害の実態への理解が浅い立場の方々と思われます)

このままでは見直しが見送られることも有り得ます。


▼1人でも多くの方に参加してもらいたいです。


http://spring-voice.org/%E6%B4%BB%E5%8B%95%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/one-voice%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%B3/

Spring全国キャンペーンin名古屋

10月14日

Spring全国キャンペーンin名古屋に参加してきました。


Springは、性犯罪に関する刑法の改正にむけて
活動している団体です。

今春、性犯罪の無罪判決が相次いだ際
代表の山本潤さんらが、法相宛てに性犯罪の厳罰化を求める署名を届ける様子が
メディアで取り上げられました。


そのSpringが、刑法改正にむけて開催している全国キャンペーンが名古屋でもひらかれました。

内容は
・前回の改正時に残った課題
・課題解決に必要なことは何か

・政治家に性被害の実態を知ってもらい、
法改正の必要性を訴える「ロビイング」について

初めて見聞きすることが多かったです。



まず、前回の改正時に残った課題がこちら

・ 暴行脅迫があったことが立証できなければ不同意でも罪に問えない

・ パートナーからの被害を認めてもらいにくい

・ 「上司と部下」「先生と生徒」等、対等でない関係における被害が潜在化しやすい

・ 13歳以上の被害者は、成人とおなじ暴行脅迫要件が適用される(中学生に性交について教えないのに!)

・ 時効(強制性交等罪10年、強制わいせつ罪7年)が過ぎたら加害者を罪に問えない

集団強姦罪の廃止、不起訴事例が続いている

など。



このような課題を解決するには
「刑法の見直しが必要」という世論を盛り上げる必要がある

ONEVOICEキャンペーンに参加して一緒に声をあげよう!
という内容でした。


刑法改正にむけて、メッセージを書いた紙を持って写真撮影しました。

このメッセージを各都道府県1000ずつ
計47000集めることを目標に全国行脚されているそうです。

そうして集めた市民の声を国会に届けて
刑法改正を実現させたい
その強い思いを感じました。


また、政治家にアポを取って要望書を渡したり、意見交換をするロビイングの模擬体験もありました。


性犯罪刑法に関する事実を見聞きして
悲しくなることも多いですが、
Springの活動からは、
市民の声は届けられる。
そして、声を上げることで変えられることがあるんだ、と希望を感じました。

ワンボイスキャンペーン、ぜひ1人でも多くの方に参加してもらいたいです。
URL張りますが、次記事でも紹介します。

http://spring-voice.org/%E6%B4%BB%E5%8B%95%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/one-voice%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%B3/

見て欲しいと思ってしまうことと、色々な記者さんがいること

テレビで性被害について放送されるとなると

加害者に観てほしいと思ってしまう
自分がどういうことしたのか知って反省してほしいそして苦しみ悩んでほしいと思ってしまう


アレは反省なんてしない生き物だと
頭ではよく分かっているはずなのに

私が求めている反応なんか得られることはないの

そうやってここに言葉にして
自分に言い聞かせている
連絡をとろうとする自分をなだめている

やめておけ、やめておけ、意味ないよ

それより前を向こうよ


NNNドキュメント
10月6日㈰25:10~
未成年の性被害①
なかったことにしたかった

10月13日㈰25:05~
未成年の性被害②
なかったことにできない

http://www.ntv.co.jp/document/


予告を見た感じ
自分は②の方で出てくると思う


記者さんたちは、
すごく丁寧に心に寄り添ってくれて

目を赤くしながら話を聞いてくれた

夫とこのことについて話すきっかけになり
彼が考えていたことが分かったのもよかった

ずっと丁寧に接してくれている


この取材に
すごく「救われた」感覚がある


心の中にある、ふだん誰にも見せられない部分を見せるから

その自分を
大切に扱ってもらえていると感じられると

記憶の中の私ごと救われる

そういう効果があるのだと思う(分析)


この人に聞いてもらえてよかった、
この人に伝えてもらえてよかったって
思えるような記者さんに
出会えたことは大きな幸運だと思う

ありがとうございました

あの判決の二審にむけて思うこと

(被害者としての感情の吐露)


性虐待が無罪になるのは勿論憤りを感じるけれど

じゃあ懲役8年、9年の有罪判決が出たら納得できるのかと言われたら

できない


たった8,9年で出てこれるの?
人の心をこんなに殺して
その人が本来送れたであろう
健康的な明るい人生を踏みつけ奪ってきたのに

尊厳を踏みにじり、人生を奪い、
心を殺し続けてきたのに

殺人罪に引けを取らない
罪の重さがそこにはあると、
一被害者として思う


なぜ
手にかけて殺さなきゃ死刑にならないのか


「有罪判決になるだろう」
と聞いても
何も「よかった」とは思えない


そんなの当たり前だ


今回の判決まで
こんなに長い時間、何度も、たくさん
傷つけられ続けて
殺され続けてきた
父親に、取り調べに、果ては裁判官に
(それは日本社会に見捨てられたことと同義ではないか)

こんなこと自体があってはならないことだったのに
有罪判決が出たから「よかった、めでたし」とは思えない
有罪になるのは当たり前
こんなことが起きてしまったこと自体が許し難い


最終判決ではないのだから?
これからは起きないように… ?
One is too many だ
人ひとりの人生をなんだと思っている
1回の判決でどれだけ傷つけられたと思っている



私としては
私に加害行為をした人間に対して
死んで欲しいと思う
8年なんて軽すぎる


無期懲役か死刑が妥当と感じる
が、
無理なら何十年と出てこないでいてほしい


そうは言っても
現実的ではないのだろう


今回の件での父親も
お願いだから
しっかり更生プログラムを受けて
自らが抱えている歪みをただしてほしい


被害者はこれからも
加害者に理不尽に押し付けられた生きづらさと
闘いながら生きていくんだ


それを思ったら加害者も罪悪感に苛まれながら
苦しみ続けて生きていくのが妥当だろう