虐待体験記④ ~児童相談所に頼れなかった~
【高校生①】
子どもながらに、
どうしたら父の行為から逃げられるか考えました。
児童相談所についても調べ、児相の住所を調べて建物の前まで行きました。
電話番号を押して何度も電話をかけようとしました。
ですが、あと一歩飛び込むことができませんでした。
発信ボタンを押すことができませんでした。
一歩踏み込んだらどうなるか全く分からなくて怖かったのです。
今の生活が壊れること。
性虐待にあっていることを人に知られること。
相談したら父は働けなくなったりしないか。そしたら、私の人生はどうなるのか。みんなと同じように進学できなくなるかもしれない。
私だけではない。母は、兄は、どうなるのか
考え出したら怖くて、現状から踏み出せませんでした。
ある時、通っていた高校に夜回り先生で有名な水谷修先生が講演に来られました。
この先生にだったら私のことを話しても別段驚かないかもしれないから話せるかも、と思いました。
先生のことをネットで調べて、父のことを誰にも言えないでいる現状をメールで相談しました。
家族以外の誰かに虐待のことを告白したのは初めてでした。
「性的虐待です。児童相談所に相談です。」
それが先生の回答でした。
たった一言でしたが、誰か大人に「あなたがされていることは虐待だ」と認めてもらえて
安堵感のようなものが込み上げてきてパソコンの前で号泣しました。
悪びれもしない父
私を諭そうとする母
まるで腹を立てる私が間違っているかのような扱いに、私は気がおかしくなりそうだったのです。