もう、沈黙はしない・・性虐待トラウマを超えて
矢川冬さん(id:yagawafuyu)の
「もう、沈黙はしない・・性虐待トラウマを超えて」という本を書きました。6月25日めでたく発行。 - 性虐待と闘う、矢川冬の場合 を読みました。
50年以上前に実父から被害を受けた冬さんの体験記です。
今でこそ、虐待サバイバーは少しずつですが声をあげられるようになり、治療や支援を受けられるようになってきましたが
当時は被害を受けても誰にも言えず、被虐待児への必要なケアや治療法も確立していませんでした。
そういう社会の中で生き抜かれた過酷な体験記は、とても衝撃的でした。
著者のトラウマと闘いながら生きる姿には胸が熱くなります。
虐待を事由に改氏名をした経緯の詳細も書かれており、被害による改名を考えている方の参考になる本です。
読後、被虐待児が必要な治療や支援を受けることの重要性を、もの凄く感じました。
冬さんは少女の自立支援のためのシェルターを運営されています。
本の収益はシェルター運営に使われます。関心のある方は、こちらからご購入ください。
読んでくださっている皆さん、よろしければ皆さんの方法で拡散ください。支援の輪が拡がることを願います。
(読後感想続き…)
虐待が心身に与える多大な影響や子どもの人権について、社会全体が正しい認識をもつことを、切に願います。
被害もそうだが、身内、医者、その他周囲の言動による二次被害が多すぎます。
特に、親になる人は知ってほしい。
あなたが母親の立場だったとして、夫の子どもへの虐待に直面した時、あなたならどうしますか
「なかったことにする」のは最悪です。
子どもはSOSを受け取ってもらえなかったことで更に傷つき、無力感に襲われ、その後SOSを出しにくくなり、不幸なことに母親も恨まなければならない事態に見舞われます。味方になってもらいたかった人が加害者になるのです。
何の解決もせず、返って事態は悪化します。
ケアが遅れれば精神面への影響(うつやPTSD等)も深刻になります。
しかし残念なことに、このように「見て見ぬふりをする」母親が実に多いのです。
彼女たちには「今の生活を壊すことは考えられない」などの言い分があるのかもしれません。
でも、親は子どもを守ることを第一に考えるものです。
まともな感覚を持った親なら、虐待が子どもの心身に与える影響を知ったら放っておけるはずがありません。
母親(あるいは第一発見者となった大人)は
まずは傷ついた子どもに寄り添い心身のケアをして
専門機関や支援団体を探して相談してほしい。
それだけでその子の今後は大きく変わります。
ちょっと熱くなってきました…
書きだしたらキリがないのでここまでにします。
最後に、冬さんにブログを通して出会えたことに感謝します。
虐待問題の深刻さを伝えるのに当事者の生々しい声に勝るものはないと感じました。
しかしそれは生々しいほど、勇気と大変なエネルギーの要ることだったと思います。
生きぬいて、本を書いてくださって本当にありがとうございました。